2016年7月11日厚生労働省へ手渡した提案書の概要

イメージです(笑)

 7月11日に厚生労働省へ陳情に行ってきました。その際に私が手渡した提案書の概要について、書きたいと思います。

 準備段階で「陳情書」として書いていました。しかしW-BADの広報担当から陳情書は既に準備済みと知らされましたので、相手を混乱させないように「提案書」として書き直しました。参加を決めたのが7月7日でして、実質3日間が準備期間でした。その為、不十分な個所を残しながらの提出となりました。

陳情へ伺った経緯について

 通院するきっかけや、主治医の態度、処方薬によって仕事が続けられなくなったこと、セカンドオピニオンを受けた経験、アシュトンマニュアルにより断薬の必要性に気付いたこと、減薬に要した期間、断薬後について、大切な恩師との永遠の別れ、今現在の気持ち、全世界の人々の時間をこれ以上無駄にしたくなく参上したことをA4用紙2ページで書きました。

 準備期間に余裕があれば、私の具体的な減薬体験とその記録を提示したかった。終わってしまった過去の内容よりも、これから変えていけられる項目の提案に時間を割り当てました。

ご提案1:GABA受容体作動薬を安全に中止する為の手段を確立されてはいかがでしょうか

 GABA受容体作動薬の説明からはじめて、耐性はどうして形成されるのか、耐性形成後に薬を増量すると最終的にはどうなるか、離脱症状とはどうして出るのかを前提の知識になるように書きました。

 私がベンゾジアゼピン系を含む向精神薬を中止する必要性を感じ、医師とも合意して減薬したのですが、その過程は臨床現場で試行錯誤していて、減薬方法が整っていないと感じた事を指摘しました。

 減薬専用のベンゾジアゼピン系薬を用意してはどうかと提案しました。ニコチン依存症っであればニコチンパッチがあったり、アルコール依存であれば心理的な支援や互助サークルがある。ベンゾジアゼピン系の依存症治療の具体的な方法の確立をお願いしました。

ご提案2:第1種向精神薬、第2種向精神薬、第3種向精神薬に含まれていない薬が存在していますので、リスクが少ないという誤解が生じないようにご注意をお願いします

  第1種向精神薬、第2種向精神薬、第3種向精神薬のどれにも属していないベンゾジアゼピン系、チエノジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系があることを指摘しました。特に精神科や心療内科以外の診療科で、向精神薬未指定の薬が、区別して安全な薬と誤解され、漫然処方されているのではないかと懸念していると伝えました。

向精神薬未指定のベンゾジアゼピン系薬

物質名販売名
リルマザホン塩酸塩水和物リスミー錠1mg/リスミー錠2mg
フルタゾラムコレミナール錠4mg/コレミナール細粒1%
フルトプラゼパムレスタス錠2mg
トフィソパムグランダキシン錠50/グランダキシン細粒10%
メキサゾラムメレックス錠0.5mg/メレックス錠1mg/メレックス細粒0.1%

向精神薬未指定のチエノジアゼピン系薬

物質名販売名
エチゾラム ※1デパス錠0.25mg/デパス錠0.5mg/デパス錠1mg/デパス細粒1%
エチゾラム ※1エチゾラム ※ジェネリック各社

※1 エチゾラムは2016年10月14日から第3種向精神薬に指定されました

向精神薬未指定の非ベンゾジアゼピン系薬

物質名販売名
ゾピクロン ※2アモバン錠7.5/アモバン錠10
エスゾピクロンルネスタ錠1mg/ルネスタ錠2mg/ルネスタ錠3mg

※2 ゾピクロンは2016年10月14日から第3種向精神薬に指定されました

ご提案3:睡眠に関する薬の分類名が薬の特徴を区別するのに必ずしも役立っていないようです。患者や一般の方が分類名から特徴を理解しやすいようにされてはいかかでしょうか

 睡眠薬と睡眠導入剤など名称が薬の中身を表す目印となっていない事を指摘しました。薬効分類名は製薬会社の裁量で命名されていて、名称が乱立していることを指摘しました。患者に示す名称が実態を反映している名称に改めるか、名称を示すことをせず血中濃度最高到達時間や半減期を示して患者の判断材料になるように改善を求めました。

GABA受容体作動薬の添付文書に記載されている薬効分類名の例

  • 睡眠薬
  • 睡眠導入剤
  • 不眠症治療剤
  • 催眠鎮静剤
  • 睡眠剤
  • 睡眠誘導剤
  • 入眠剤
  • 睡眠障害改善剤
  • 不眠症治療薬
  • 催眠剤

ご提案4:薬剤師の責任と権限を明確にして、薬剤師の独立した活躍を支援されてはいかがでしょうか

 病院に隣接している調剤薬局は、病院設立と同時に誘致されている場合が多く、その病院から発行される処方せんによる調剤料などに大きく依存しています。調剤薬局は病院の敷地にコの字に食い込む形で立地している場合もあります。調剤薬局は病院の意向を忖度しなければならない弱い立場に置かれています。この状況では調剤薬局の薬剤師は消費者の為に働けないのではないかと懸念伝えました。

 そうした環境に影響されずに薬剤師が専門家として活躍していくにはどうしたらよいかを提案しました。薬剤師の権限と責任を明確にして、絶対に内部通報者や情報提供者に不利益にならないように制度化した上で、薬剤師や調剤薬局のスタッフからの通報や相談を受け付けて交流を図っていくことを厚生労働省へ期待している事を書きました。6年間大学で学んでいる学生の為にも薬剤師が専門家として活躍できる職場づくりをお願いしました。

 後から思うことですが、絶対に不利益にならないようにすることは不可能なお願いなのではないかと思いました。絶対ということは世の中にありません。それでも一定の取り決めは必要だと思っています。

ご提案5:薬局で配布されている処方薬に関する「優しい説明」は患者に誠実な内容に改めるか規制すべきではないでしょうか

 実際に私が通院開始したとき受け取った最初期の「優しい説明」を添付しました。当初、私の氏名や薬局名、薬剤師名、処方箋を書いた医師名を全部伏せて提出しようと考えていましたが、当日朝に原本のコピーをそのまま添付しました。

個人情報や薬局名、薬剤師名、医師名を伏せたもの

 陳情の場でもこの部分に言及しました。受け入れやすいように書かれているだけで、リスクについて一切説明をしていません。ベネフィットを書くならばデメリットも同じ分量は書くようにするなど、医師とのコミュニケーションに役立つ資料にするように言いました。はっきり言って患者を情報弱者としてコントロールしようとしている意図的な文書です。26歳の私がこれを素直に読んで薬を飲んでいたのです。だからこそ責任追及をしているのです。患者が通常の努力で判断できない状態にしてしまっています。弱って通院しているのになんという仕打ちでしょうか。当日の厚生労働省の答弁は臨床現場に制限を加えるような事はしたくないというものでした。臨床現場ではそれぞれの対応が個別にされるので、個別の案件に分断することで画一的な責任追及されないようにしていると感じました。個別の案件ではウェイン・ダグラスさんが裁判を起こしたように個人対国家となります。

実名を署名し提出

 当日になり実名で提出することを決めました。たとえば当事者Aでは相手に届くものが小さくなるだろうと思いました。3日間悩みましたが、家族にも理解を求めたうえでの直訴となりました。

 


注釈

 一般にGABA受容体と言えば、GABA-A受容体を指していると思います。他にGABA-B受容体があり、区別するためにGABA-A受容体と書く方が良いと現在は考えています。しかし、陳情へ行った当時はGABA-A受容体を単にGABA受容体と表記していました。
参考資料:GABA受容体 – 脳科学辞典

 今は「患者」という単語を使いたくないと思っています。患者とは医療従事者から見たラベリングの言葉だからです。可能な限り「消費者」と表現したいと考えています。消費者は選択する力を持つ必要があります。


 

※この記事は2016年7月17日に公開したものに、修正加筆を行いました。


スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です